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ロシアによる全面侵攻がはじまってから3年が経つウクライナ。街の景色は、人の思いは、どのように変わっていったのか。朝日新聞の記者は、全面侵攻から3年の節目に、ウクライナの街を訪ねました。
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今回、記者が訪れたのは首都キーウ、キーウ近郊のブチャ、イルピン、ボロジャンカ、北部チェルニヒウ。
キーウでは毎日のように空襲警報が鳴り、日常生活の一部のように、市民の暮らしは続いていました。
キーウ郊外では、少しずつ再建を進める街もありましたが、ロシア軍の砲撃を受けて破壊された建物が、いまも多く残っていました。そんな破壊された建物の近くを、子どもを連れた女性が歩いていました。
市民の声は、さまざまです。
3年前に戦地に向かった夫と、ずっと連絡がとれないという女性は、「ただ、生きて帰ってきてほしい」と祈るように話しました。
戦時下での生活に「ただ平和を願うだけ。今は、夢なんて持てない」という若者もいれば、「くよくよしてもしょうがない」と前を向こうとする人もいます。
ロシア軍に拘束された捕虜の返還を求める集会に参加した女性は「友達が捕虜にされている。空襲警報が鳴る。その現実が、どれほど恐ろしいことかわかりますか」と、まっすぐな目で訴えました。
最後に女性は、こう付け加えました。
「どうか、ウクライナのことを忘れないで」
全面侵攻から3年が経った…